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Channel: あさひ町榊原耳鼻咽喉科  院長のブログ
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山形市の風疹の抗体検査、予防接種助成について

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山形市では、先天性風疹症候群予防のため、風疹の抗体検査と予防接種費用を全額助成することとなりました。

対象は山形市に住民票がある方のうち、
①妊娠を予定もしくは希望する18歳~50歳(昭和38年4月2日~平成8年4月1日生まれ)の女性
②風しんの抗体価が不十分な妊婦の夫(婚姻関係の有無は問わない。)及び同居家族
です。

助成期間は3月31日までです。
受けられるところは、山形市指定医療機関124か所です。

あさひ町耳鼻医咽喉科医院も指定医療機関となっておりますので、ご希望の方はお問い合わせください。

受け方ですが、先ずは抗体検査を受けていただきます。抗体が不十分な場合は、予防接種を受けていただきます。
※現在のところ、全国的にワクチンが不足しており、検査から予防接種までお待ちいただくことになります。

必要なものは、健康保険証か運転免許証など住所、生年月日を証明するものです。
抗体が不十分な妊婦の夫、および同居の家族の方は、さらに妊婦さんの母子健康手帳が必要です。

詳しくは、山形市のホームページをご覧ください。


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休診のお知らせ

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8月11日(日)より、15日(木)まで、

あさひ町榊原耳鼻咽喉科医院は
休診いたします。

脱水にご注意!

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耳がつまる感じ、耳閉感を引き起こす疾患として最近増えているのが、急性低音障害型感音難聴(いわゆるストレス難聴)と耳管開放症です。急性低音障害型感音難聴は内耳の疾患、耳管開放症は中耳の疾患であり別物ですが、共通する特徴があります。1つには30台前後の女性に多いことと、脱水が発症に関係している可能性があることです。

いずれの疾患も30台前後の女性に多い理由は不明ですが、脱水が影響している可能性は、急性低音障害型感音難聴では内リンパ水腫の形成に脱水が関係しているらしいこと、耳管開放症では耳管周囲の組織のボリュームが脱水により少なくなる、つまりは張りを失うことにより症状が強く出やすいというメカニズムが考えられます。

もちろん耳を守るのみならず、熱中症予防のためにも、猛暑の続くこの時期は特に、早め早めの水分補給を心がけていきましょう。


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耳管開放症と急性低音障害型感音難聴

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一般的にいわれている、耳管開放症と急性低音障害型感音難聴の臨床像を、表にまとめてみました。

片や耳管機能不全、片や内耳障害が原因であり深い関連はないようにも思えるのですが、女性に多いことや耳閉感を訴えることが多いという特徴は共通しています。

ただし、耳管開放症では誘因として、やせていることや、急な体重減少などがあること。
症状では耳閉感の他に自声強聴(自分の声が大きく響く)、自分の呼吸の音が聞こえるなどの症状を併発していることもあり、しかも、深くお辞儀をするように頭を下げたり、横になることで軽快するという特徴はあります。もちろん例外もあるのですが、これらの症状があれば耳管開放症の可能性が高くなります。

聴力検査は耳管開放症では正常のことが多いのですが、中には低音部の感音難聴のある場合があり、聴力像からだけでは急性低音障害型感音難聴と区別がつかないこともあります。

しかも両疾患とも症状が変動することもありますので、受診時の状態によっても診断が異なってしまう可能性もあるのです。

これまで別個に論じられてきた耳管開放症と急性低音障害型感音難聴ですが、並べて比較することによって何か見えてくるかも知れないと思いながら現在研究中で、少し分かったこともあります。

これから何回かに分けて、耳管開放症と急性低音障害型感音難聴の話をしていきたいと思います。

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耳管開放症の原因

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あさひ町榊原耳鼻咽喉科医院で治療を行った、耳管開放症の患者さんについて、原因をまとめてみました。カルテで詳細が調べることが出来たのは62例ですが、そのうち16例は痩せすぎ、あるいは急に体重が減ったことが原因と思われました。ちょっと意外なところでは、吹奏楽がきっかけとなった方が2例(二人とも木管楽器でした)、妊娠とともに悪くなった方が2例ありました。
中耳炎に続発した例は3例の航空性中耳炎(飛行機に乗った際の気圧の変化で起きます。)と、急性中耳炎が1例でした。急性中耳炎後は多くが耳管閉塞から滲出性中耳炎となるのですが、時に耳管開放症になることもあるようです。
その他にはアレルギー性鼻炎や気管支喘息などの気道の慢性炎症、起立性低血圧や膠原病などの全身疾患も原因となっていると思われる例がありました。

今週から来週は耳管開放症についていろいろとお話ししていきます。

次回は、男女差についてお話しする予定。

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耳管開放症と急性低音障害性感音難聴-男女差と好発年齢について-

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「耳がつまる」感じ、耳閉感を起こす代表的な疾患である耳管開放症と急性低音障害性感音難聴について、色々と調べていますが、今回は男女差と年齢についてです。

当院を受診した、耳管開放症62例と、急性低音障害性感音難聴225例で男女差をみてみましたが、耳管開放症は女性70%に対して男性が30%、急性低音障害性感音難聴は女性69%に対して男性31%。ほとんど一致しました。ここまで一致しているのは偶然もあるのでしょうが、どちらの疾患も女性に多いといってまず間違いないでしょう。理由ははっきりしていませんが、女性の方が自律神経がバランスを崩しやすいとか、その様なことが影響しているのでしょうか。


さらに年齢別の分布を見てみますと、耳管開放症は女性は10代から40代までほぼ同じ程度に多く、50代以降は少なくなります。男性は10代から30代までと、50代の方が多かったです。
急性低音障害性感音難聴は、男女とも30代にピークを持つ山型のカーブを描きます。急性低音障害性感音難聴は別名ストレス難聴ともいうぐらいですので、特に働き盛りだったり、ストレスの多そうな年代に集中するのかも知れません。また、急性低音障害性感音難聴は診断基準として、高音域の難聴のないことが条件となっており、高齢者が少ない結果となっている可能性もあるかと思います。

耳管開放症と急性低音障害性感音難聴の話、もう少し続きます。興味のある方はしばらくおつきあいください。

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耳管開放症と急性低音障害型感音難聴ー症状についてー

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耳管開放症と急性低音障害型感音難聴は、片や耳管機能不全、片や内耳障害であり、別の病気です。しかしながら症状に似通った点があること、女性に好発することなどは共通しておりしばしば鑑別診断が難しいことがあります。では、症状は何が共通していて何が違うのかについて、今回はお話ししてみたいと思います。
前回同様、耳管開放症62例と急性低音障害型感音難聴225例を対象としまして、症状のあった割合を見てみました。
両疾患に共通して耳閉感が最も多く、6割を超えます。その他、難聴、耳鳴、めまいは似たような割合でみられます。細かく話を聞くと同じ耳鳴でも、耳管開放症では拍動性のものが多かったりと違いもあるのですが、そこまで細かく分類しなければほぼ同等の割合となります。めまいですけれども、本来めまいのないものが急性低音障害型感音難聴なのですが、立っていられないほど大きなめまいがあるもの以外は急性低音障害型感音難聴に含めることが多いので、今回もそれに従いました。
耳管開放症でめまいとは意外な感じがする方もあるかも知れませんが、実際統計をとってみると21%の方がめまいを訴えていました。自律神経失調によるめまいや、一部は内耳性のめまいもあり得るのではないかと考えています。

自声強聴(自分の声が大きく聞こえる、響くなどの症状)、呼吸音聴取(自分の呼吸の音が聞こえる)、耳痛の3症状は耳管開放症では見られるケースがあるのに対し、急性低音障害型感音難聴ではほとんど見られず、これらの症状があれば、耳管開放症の可能性が高いと考えられます。

また、耳管開放症では耳閉感、自声強聴、呼吸音聴取の症状は立っている時に起こりやすく、深くお辞儀をするように頭を下げたり、横になったりすると軽くなったり、消失したりすることが多いのです。

耳管開放症で典型的な例では、鼓膜が呼吸に伴って膨らんだり凹んだりしますから診断は容易なのですが、そうでない例では鼓膜は正常です。その場合は特に問診が重要になってくることを、あらためて確認した次第です。

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耳管開放症と低音障害型感音難聴の合併例

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原則的には耳管開放症単独で難聴を伴うことはありません。しかしながら、耳管開放症の耳閉感や自声強聴を避けるために、意識的に(半ば無意識に)鼻をすすることによって鼓室内を陰圧にして、鼓膜を凹ませている方は、伝音難聴になっていることがあります。それとはまた別に、検査をしてみると低音部の感音難聴を伴っていることもあります。その場合自覚的な難聴はあったり、なかったりです。

あさひ町榊原耳鼻咽喉科医院で耳管開放症の治療を受けた方 62名のうち純粋に低音部のみの感音難聴のあった方が11%。左右対称性に高音部も障害されている方を含めますと24%の方に低音部の感音難聴を認めました。
当医院の例だけではなくて、耳管開放症について書かれた他の論文や学会の抄録などを見てみましても、耳管開放症で低音障害型感音難聴を伴うことは、さほど稀ではないようです。
これをどう考えるかですが、論文では実際に耳管開放症によって起きている中耳腔の圧変動が何らかの内耳障害を引き起こしている可能性を考えているものもありますし、実際は内耳障害はないにも関わらず、呼吸の音がダイレクトに中耳に伝わってくるために正確に聴力検査ができず、実際の聴力よりも悪く出てしまうのではないかという意見もあるようです。
当医院の例を細かく見てみますと、検査時に呼吸音聴取の症状はなかったにも関わらず、低音障害型感音難聴を呈した例も多く、また、一部の症例は内リンパ水腫の治療薬であるメニレットゼリーで聴力が改善していることから、耳管開放症に内耳障害、特に内リンパ水腫の合併はあり得るのではないかと考えているのです。

ネット検索しますと、耳閉感を主症状に耳鼻科で診てもらったところ、急性低音障害型感音難聴と診断されたが実は耳管開放症だったとか、逆に耳管開放症と診断されたが急性低音障害型感音難聴だったというかたの体験談をたまに見かけるのですが、実はこの2つの疾患は合併することも結構多いのではないかと思っているのです。

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休診のお知らせ

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9月25日(水)より27日(金)まで、
学会出張のため休診いたします。

休診のお知らせ

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5月16日(木)から18日(土)まで、学会出張のため休診いたします。

振り替えとして、5月22日(水)は診療いたします。

日本鼻科学会・学術講演会

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先週、診療を2日間ほど休んで学会に参加してきました。

日本鼻科学会・学術講演会、文字通り鼻について研究しようという学会です。
具体的には、スギ花粉症の舌下免疫療法や様々な、鼻・副鼻腔の手術、特に内視鏡手術について主に学んでまいりました。

舌下免疫療法というのはスギ花粉のエキスを、口の中に垂らすことによってスギ花粉吸入によるアレルギー症状を抑えていこうという治療です。スギ花粉症に対する原因治療なのですが、現在は皮下免疫療法というのが行われております。皮下免疫療法は当院でも実施しており、アレルギー症状の消失、緩和、薬の減量などが期待できるのですが、定期的な皮下注射が必要ですので、通院の手間や注射の痛みがあること、また、ごく希ながら起こりうるアナフィラキシーショックなどが欠点です。
それに対して舌下免疫療法は最初の指導は医療機関でやる必要がありますが、後は自宅で出来るし、副作用は少ないという利点があります。一般に行える治療として認可されるのは、もう少しだけ先とのことですが、認可され次第、当院でも行う予定です。導入に先立ちまして、そのノウハウ、注意事項等について学んできました。

その他には、アレルギー性鼻炎や鼻中隔湾曲症、副鼻腔炎に対する最新の手術法について学んできました。手術は診療所で行うには設備や人的な問題から制約もあるのですが、安全に行えるものであれば、日帰り手術という形で行うのもメリットがあります。また、診療所では出来ない様な手術大きな病院を紹介してやってもらうということになるのですが、その際にも、新しい知識は押さえておきたいところ。そういう意味でも収穫があったと思います。



福井は路面電車が走る、ちょっと懐かしい雰囲気の街です。山形からはちょっと遠いのですが、いつかまた、今度はもう少しゆっくりと巡ってみたいと思いました。

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コーンビームCT導入!

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耳鼻科の病気というと、中耳炎や副鼻腔炎などを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。これらの病気は顔面の骨や頭蓋骨の中で起こるものなので表面からも見えづらいし、レントゲンを撮っても骨が重なり合っているため診断が難しいということがありました。骨が重なっていてもレントゲンで診断する方法としてCTがあるのですが、従来のCTはとてつもなく高価ですし、鉛でシールドされた広いレントゲン室が必要ですので開業医がおいそれと導入できるものではありませんでした。
しかし、ここ数年の間にコーンビームCTというものが普及し始めて、この常識は変わりつつあります。
コーンビームCTとは、新しいタイプのCTで、高画質、比較的被爆が少ない、省スペース、比較的安価という特徴があります。小さくても副鼻腔、中耳疾患のより詳細な診断ができることはもちろん、撮った画像は直ぐにモニターに表示されますし、画像は鮮明でわかりやすいので、患者さんの説明にも非常に役立ちます。
というわけで、色々リサーチしてみました。コーンビームCTは数社から出ているのですが、なかでもアールエフ社製の「X線室のいらないCT」ならば、設置面積が最も小さく、専用のレントゲン室も備わっているので、診察室内の空いたスペースに置けることがわかりました。先月ショールームに実物を見に行き使えそうだと確信、それから価格交渉を経て月末に購入決定。そして今月の9日の搬入となりました。
かなりスピーディな対応のお陰で、思い立ってからたった1ヶ月という期間でCTが使えるようになりました!これで当院の画像診断の精度はかなりアップすることとなりますし、少なくとも副鼻腔や中耳疾患については、CT検査のために患者さんに他の病院を受診して頂く、という手間も省けることになります。

さて、搬入と設置の様子。
CTというと、医療機器の中でもかなり大がかりなブツであるのは常識。それにしては拍子抜けするほど、小さめのトラックで運ばれてきました。それもそのはず、コーンビームCTは小さいのがメリットなのですから。

院内に機材が運び込まれます。これが専用のX線室になります。

X線室組み立て中。

天井と本体を乗っけて

扉を付けて

組み上がってから、放射線漏洩の検査をしています。

いすを入れて完成!

中はこんな感じです。

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当院のCTではこんな画像が撮れます

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前回の記事でも紹介しましたとおり、あさひ町榊原耳鼻咽喉科医院では、副鼻腔疾患や中耳疾患の診断精度を向上する目的でCTを導入しました。
患者さんは座った状態で撮れるので、従来型のCTに比べて圧倒的に設置面積が少なくて済むのと、被爆が少ないこと、機械自体の価格が比較的安いのが特徴です。では、画質はどうなのでしょうか。これがなかなかの高画質なのです。しかも、スライスの厚みもかなり薄いので、細かなところまでしっかり診断できるのが特徴です。

眼窩と鼻副鼻腔の前額断ですが、精細度は十分です。あえて欠点をあげるとすれば、CTでは空気が黒、骨が白、粘膜や筋肉などの軟部組織がグレーに映りますが、その軟部組織の階調が乏しいことと、若干上下の撮影範囲が狭いことぐらいでしょうか。

水平の断面だとこのような感じです。

画像の上が前です。鼻副鼻腔、鼻涙管、中耳、内耳などがきちんと描写されています。

さらには今回は紹介しませんでしたが、3D 画像も出力出来ますし、それを色々な角度から見ることも出来ますので、顔面の骨の外傷などには特に威力を発揮します。

今回は当院で導入したコーンビームCTではどんな画像が撮れるのか、紹介しました。

ここまでの画像を得るには複雑な操作をしなければならないかいうと決してそうではなく、非常にシンプルなシステムになっており、検査の設定や読影は普通のPCでやっています。また機会がありましたら、今度は検査から読影、患者さんへの説明までの流れについてご紹介したいと思います。

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コーンビームCT〜撮影から読影まで〜

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引き続き、当院のコーンビームCTのご紹介です。
通常、病院などでCTを撮る際には、放射線部や放射線科など専門の部門に移動して撮るのが一般的ですが、当院のCTは診察室の一部に設置しています。
この8角柱のボックスが鉛でシールドされたX線室になっていて、本体はこの中に入っています。撮影は、椅子に座った状態で顎と頭を固定して行います。撮影に要する時間は、わずか18秒です。検査が早く済むのはもちろん、ぶれて画像が劣化したりしにくいことと、放射線の量を少なく出来ることなどが利点です。

撮影が済んでからモニターに画像が表示されるまでも、ほんの10秒程度しか かかりませんから、患者さんが椅子から降りてX線室から出る頃にはもうモニターに画像が表示されています。モニターはカルテ机に設置しており、撮影が終わったら直ぐに患者さんと一緒に画像を確認しながら、説明ができるようにしています。当院では普通のレントゲンもCTもフィルムレスにしていますから、画像はPCのモニター上で読影と患者さんへの説明を行います。

基本的に読影のための画面は、このように4分割になっており、水平断、前額断、矢状断と3D画像が同時に表示されます。コーンビームCTのデータは、アイソボクセルといって左右、前後、上下方向同じだけの密度の情報量があり、元々が3Dですから、読影の時にはどの様な角度からでも断面を切り出すことができます。また3D画像も最初から表示されますし、これをあらゆる角度から見ることが出来ます。3D画像は鼻の中の構造を立体的に見る時や、耳小骨の状態を見る時には特に重宝します。

それぞれの画像はマウス操作によって、拡大やスライス間の移動、見る角度の変更などが簡単にできます。静止画で分かりにくいところなども、マウスで少しずつ画像を動かしながら見ることにより、より分かりやすくなります。
この辺の操作感というのは、実際画面をキャプチャして動画としてお見せしたいと思います。準備ができましたら、またこのブログでお知らせします。

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コーンビームCTでみる中耳と内耳の構造

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複雑な中耳や内耳の構造。しかもこれらは側頭骨という骨の中に埋まっているため、なかなかその構造を見ることは困難でした。しかし、コーンビームCTにより精細な3D画像が得られるようになり、耳小骨や半規管、蝸牛まで立体表示が可能となったのです。
さらに3Dの画像を少しずつスライスを変えたり、見る方向を変えたりすることにより、より分かり易くなります。その辺のところは静止画では説明しきれないので、動画を作成してYouTubeにアップしました。是非、ご覧下さい!



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年末年始の休診について

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あけましておめでとうございます!
正月は4日土曜日より、平常通り診療いたします。

『眠りの森』

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今年の正月休みは、家で過ごしました。お陰でTVを観る時間もたっぷりあったわけですが、特に気合いを入れて観た番組は『眠りの森』。東野圭吾原作のミステリーです。
詳細はネタバレになるので書きませんが、あるバレリーナが交通事故をきっかけに、その後徐々に聞こえが悪くなって、やがては全然聞こえなくなってしまうというエピソードがありました。ドラマでは病名までは語られていませんでしたので、はて、そんな病気あるかなとか、実際にある病気であれば、なんだろうと耳鼻科医的には気になりました。
ちょっと考えましたが、最も考えられるは「前庭水管拡大症」という耳の病気かなと思い当たりました。
この病気は、内耳と頭蓋内の内リンパ嚢という袋とをつないでいる前庭水管という管が、広がり過ぎている、内耳奇形の一種です。子供の頃から難聴のある人もいますが、元々は難聴がなくても頭部外傷をきっかけに聴力が低下していき、やがては全く聞こえなくなってしまうこともあります。これは、頭の外傷によって脳圧の急激な上昇が起きて、コルチ器を壊してしまうのが原因と考えられています。
実際の診断は、CTやMRIで可能です。
TVドラマの中には医療そのものを扱ったものも多いですし、今回の『眠りの森』のように、ある特定の病気がストーリーに深く関わってくるものもありますよね。実のところ、病気や医療をテーマにしたものは好きではないのですが、今回のドラマは純粋に楽しめましたし、耳の症状についても興味深く観ることができました。

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LEDヘッドライト

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耳鼻科医のトレードマークといえば額帯鏡で、このブログのトレードマークのジビックマも付けている訳ですが、実際の診療では昨年の始めからLEDヘッドランプを愛用しています。
 
LEDヘッドライト ステラビュー (第一医科株式会社)
明るいし軽いし、白色光で見やすいし、外部の光源を必要とせず、しかも一度の充電で結構持ちますので重宝していました。ところがこの機種、一年間酷使した結果、不具合もちらほらと出てきました。一番多いのがスイッチの故障。日常診療ではこまめにON-OFFを切り替えますが、それに強度が耐えきれず、3回ほど破損しましたし、バッテリーケーブルの断線も2回ほどあり、その都度メーカー送りになりました。
まあ、そんなものなのかなと妥協することも必要なのでしょうが、壊れる度に、元の額帯鏡に戻して診療するのは不便です。

そこで予備機を購入することにしたのですが、同じのをまた買うのもちょっと癪なので、別のブランドのサイトを見に行きました。そこで見つけたのがこれ。

LEDヘッドライト Power View(永島医科器械株式会社)

ステラビューより不細工なのですが、何よりバッテリーがヘッドバンドに装着されるのがいいです。ケーブルがぶら下がらないので故障が少なそうだし、邪魔にもなりません。その分ちょっと重いですが、一週間デモ機を借りた結果では許容範囲内でした。光量と絞りが調整できないのは残念ですが、それも普通の診療ではあまり問題にならず、購入決定です!

医療機器の情報というのはユーザーが少ないということがあってか、いわゆる口コミというものはほとんどありません。ネットでカタログを見たり、学会の機会展示場で手に取ってみたり、可能な限りデモ機を使用したりもしますが、実際に買って使ってみないと分からないことが多々あります。医療機器にも価格comみたいなサイトがあると良いのになと思うことが度々あります。

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スギ花粉の飛散予測

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1月も後半となり、そろそろスギ花粉症の方は、今年の花粉が多いのか少ないのか気になり始める頃かと思います。一般に、スギ花粉数に影響を及ぼす因子としていわれているのが、前年夏の気温です。
スギ花粉は雄花から飛散し,雄花芽分化期である夏期の気象条件によって,雄花の生産量が変動し,翌年の花 粉飛散数に影響を与える.すなわち,前年 7 月頃の気温 が高いと雄花の生産量が多くなり、翌年の花粉飛散数が 増加するとされています。
実際どうなのか、筆者の診療所のある山形市のデータで検証したことがありますので、紹介したいと思います。

検討した期間は1984年から2011年までです。
花粉数は山形県衛生研究所のサイト、気象データは気象庁のサイトを参照いたしました。
赤の折れ線が前年に当たる年の、6から8月の最高気温の平均値です。
気温の低い年では、25℃台、高い年は30℃を超えます。
スギ花粉は少ない年だと、1平方センチメートルあたり、年間数十個から数百個。
多い年では10000個を超えますから、数十から数百倍もの差があります。
この期間でスギ花粉の多かった年は1985,1988,1990,1995,2000,2005,2009と2011ですが、ほぼ例外なく前年の夏の気温は高い傾向にありました。2001年の春は大量飛散でしたが,前年の夏は記録的な猛暑でした。

分布図で相関を見てみました。
横軸が前年に当たる年の6〜8月の最高気温の平均値、縦軸が花粉飛散数です。
気温が高ければ高いほど、花粉が多く、正の相関がありそうです。
[#IMAG外に重視しているのは、前年の花粉飛散数です。
花粉数の年次推移をみてみますと、2年連続で花粉が少なかったこともなければ、大量飛散が連続したこともありません。理由として,一度大量に飛散しますと、木の勢いが衰えるため,翌年の花粉が少なくなるということが、言われています。

横軸に前年の花粉数、縦軸に当年の花粉数として相関を見たのが上のグラフです。右下がりの傾向、すなわち負の相関がありそうです。

以上から、スギ花粉数に影響を与える因子としては,前年夏の気温と前年のスギ花粉数ということになります。ここで、重回帰分析というものをやりますと、以下のような式が得られます。
一見しますとややこしい数式ですが、要はこういうことです。
前年の花粉が仮に1000個増えれば454個少なくなり、夏の最高気温の平均値が1℃上がれば1541個増えるということになります。

同じことが他の地域でもいえるのかどうか、インターネットでデータが得られた地点で検証しました。
米沢市でも前年夏の気温が高いほど、スギ花粉飛散数は多く、前年の花粉飛散が多ければ、少なくなる傾向が見られました。

新庄市でも同じ検証をしましたが同様で、前年夏の最高気温とは正の相関、前年の花粉総飛散数とは負の相関を示しました。

県外でデータが得られたのは甲府市です。ここはかなり暑いところのようで夏の最高気温はほとんどの年で30℃を越えるようですが、ここでも同様に、スギ花粉飛散数は前年夏の最高気温とは正の相関、前年の花粉数とは負の相関がありました。

さて、これは一昨年のデータを基に昨年の山形市の花粉がどうなるかを予測した式ですが,一昨年の花粉数が1879個、6〜8月の最高気温の平均は29.6℃でしたから,これを代入しますと5760個程度となりました。山形市の総飛散数の平均は約3,000個ですからその約二倍程度の飛散を予測していました。県衛生研究所のホームページによりますと、昨年総飛散数は実測でも5680個でしたので予測は的中した言っていいと思います。

さて今年はどうでしょう。山形市の場合、昨年の花粉数が1879個、6〜8月の最高気温の平均は29.6℃でしたから,これを代入しますと2948個程度となりました。ほとんど平年並みの飛散となるというのが、私の予想です。

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スギ花粉、今のところ大量飛散なし。

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環境省花粉観測システム「はなこさん」による、今年の3月22日16:00の花粉飛散状況です。
赤い丸が大きければ大量飛散ということになりますが、幸い東北地方全ての観測地で、あってもごくわずかな花粉しか検出されていないようです。

昨年のまったく同じ日付、時間の花粉飛散数を下に示しますが、大きな丸が付いている観測地がほとんどで、大量に飛散していたことが分かります。


昨年は全国的に花粉飛散が多く、今年は平年並みかやや少なめの予想でしたので、もともと樹に準備されている花粉の量が違うのと、2月、3月と寒い日が続いていることが、今のところ花粉があまり飛んでいない理由と考えられます。

ただし、今週あたりから気温も上がり、晴れの日も多くなりそうです。急に暖かくなりますと、今まで飛んでいない分が一気に飛散することもありますから、スギ花粉の方はこれからが要注意かと思います。

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