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Channel: あさひ町榊原耳鼻咽喉科  院長のブログ
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花粉は、今日から要注意!

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今年は全国的に春の訪れが遅かったようですが、昨日からは一変して暖かくなってきましたね。
ここ山形市でも昨日は最高気温が15度を超えて、4月中旬から下旬並みだったとか。
さて、こうなると花粉が心配になってきます。

昨日の記事では未だ「大量飛散なし。」と書きましたが、昨日の午後からはちらほらと飛び出したようです。

今朝の東北地方の花粉飛散の様子ですが、宮城、福島などはかなり飛び始めているようですね。おそらく日中には山形でも多くなるのではないでしょうか。

花粉症の方は、早めに薬を飲み始めることで重症化が防げます!
是非、早めの受診を!

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睡眠時無呼吸症候群のスクリーニング

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寝ている間に呼吸が止まることによって、睡眠の質が低下して、日中の活動性や注意力が低下したり、脳血管障害や高血圧、心疾患などのリスクも高めてしまういう睡眠時無呼吸症候群は、個人にとっても,
「やる気はあるのに頑張れない。」、「仕事でもミスをしてしまう。」などの悩みの原因となるのと同時に、特に運送業や旅客業などを営む企業にとっても、一度事故が起これば管理責任を問われますから、その対策が重要となってきます。

睡眠時無呼吸症候群を心配して個人として受診していただいた場合には、問診で日中の眠気や鼻づまりの有無などを確かめて、鼻や咽の診察、必要に応じて簡易携帯型ポリソムノグラフィーへと進みます。

一方、企業の健診として睡眠時無呼吸のスクリーニングを行う場合にはどうかといいますと、国土交通省自動車交通局の通達に詳しいのですが、日中に眠気を感じない人でも、フローセンサ法かパルスオキシメータ法によるスクリーニングを行うよう勧めています。そして、これらで異常があれば耳鼻科などの医療機関での精密検査という流れです。

問題は、スクリーニングにフローセンサやパルスオキシメータがある程度まとまった数が必要になることです。当院の簡易携帯型ポリソムノグラフィーでもスクリーニングは出来ますが、1台しか保有していませんので、大きい会社のスクリーニングはまず無理です。ネット検索してみますと、多くのフローセンサ、あるいはパルスオキシメータを保有していて、郵送で機器と結果をやりとりして健診してくれるところはあるようですが、それでもニーズに対して少数であると思われます。

ということもありまして、必要性は分かっていてもまだまだ健診も進んでいないと言うのが実情なのではないでしょうか。睡眠時無呼吸症候群は体型、鼻づまり、咽の狭さなどが相互に関係しながら発症してきますから、鼻や咽を診るのが得意な科である耳鼻科で診断、治療を行うのが最も適当と思っています。当院でも、今後は何らかの方法で健診も行えないものかと思案中です。

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睡眠時無呼吸症候群について

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睡眠時無呼吸症候群については、以前には記事にもしたことがありますが、大分経ちますので、改めて何回かに分けて記事にしていこうかと思います。まずは、概要から。

睡眠時無呼吸症候群は寝ている間に、呼吸が度々止まってしまう病気です。無呼吸は10秒から長いときには1分近くとなり、それが繰り返し起こります。そのために睡眠の質が低下し、日中眠くなったり、頑張れなくなったりします。同時に、メタボリックシンドロームや脳や心臓の虚血性疾患や高血圧、EDの原因とも成ります。小児では症状が大人とは異なり、顎顔面や胸部の形態異常、成長障害、多動や情緒不安定などを引き起こします。

睡眠時無呼吸症候群の原因は、身体的特徴として、まずは肥満、下顎が小さく後退していること(いわゆる"顎がない”状態。受け口の逆)、頸が短いことなど、鼻の病気としては鼻中隔彎曲症、慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、肥厚性鼻炎など鼻づまりを起こすもの、アデノイド増殖症や扁桃肥大、軟口蓋下垂や厚すぎる舌など様々あります。通常は一つの原因で起こるのではなく、様々な悪条件が重なることにより発症している方が多いようです。小児の場合は、アデノイド増殖症と扁桃肥大が原因となっていることがほとんどで、大人よりは肥満の割合は少ないです。アデノイドも扁桃も、咽にあるリンパ節の塊で免疫に関係した働きをしていると考えられていますが、小児期に、特に肥大しやすい特徴があり、これが睡眠時無呼吸症候群を引き起こすのです。

日本における睡眠時無呼吸症候群の頻度は従来 人口の2~4%といわれておりましたが、近年の疫学調査の結果からはそれよりもはるかに多い可能性が示唆されています。特に運転手などが睡眠時無呼吸症候群である場合、漫然運転や居眠り運転による事故等が発生しやすくなりますので、健診などで早期発見し、早期に治療する必要があると思います。

睡眠時無呼吸症候群を心配して耳鼻科を来院する方は、「日中の眠気に困っている方」、「いびきを家族や同僚などに指摘されて、受診を勧められた方」などです。診察と検査、治療の流れですが、先ずは睡眠時無呼吸症候群専用の問診票で、眠気の程度を調べます。次に、鼻や咽の診察を行い、狭くなっているような部位はないかを大まかに診ます。狭くなっている部位については、さらに内視鏡を使って詳しく診ます。また、鼻づまりがある場合には、鼻腔通気度計で鼻づまりの程度や左右差を客観的に評価します。画像診断としては、鼻副鼻腔や咽頭のCTが有効です。
最も重要な検査は、終夜睡眠ポリグラフィーというものです。これは入院して行う場合と、医療機関から検査装置を持ち帰り、自宅で検査を行う場合があります。入院して行う場合には呼吸の状態、血液の酸素飽和度、体位、心電図、目の動き、脳波などを一晩中モニターします。自宅で検査を行う場合には、このうち、心電図や目の動き、脳波を省いた項目を調べます。

治療ですが、重症の睡眠時無呼吸症候群の場合には、経鼻的持続陽圧呼吸療法(nCPAP)の適応となります。これは、鼻にマスクを装着して寝るもので、マスクからは少し圧を高めた空気が送られてきます。上気道に陽圧をかけることにより、咽の空間を保とうという治療法です。ほとんどの睡眠時無呼吸症候群に効果のある治療法ですが、あくまでも対症療法である点、マスクの違和感、重症例しか保険適用が認められないなどが欠点です。なるべく長い時間装着して休むのが理想的ですが、毎晩4時間以上できる方は70%程度といわれています。

鼻づまりが睡眠時無呼吸症候群の原因となっている場合には、鼻の中の形態を矯正する手術が有効です。鼻中隔彎曲症に対する鼻中隔矯正術、アレルギー性鼻炎や肥厚性鼻炎に対する下鼻甲介焼灼術や切除術、鼻茸に対する鼻茸摘出術、慢性副鼻腔炎に対する内視鏡下鼻内副鼻腔手術などが行われます。また、nCPAPの必要な患者さんでも、鼻づまりがあると治療が上手くいかないので、その場合は鼻の手術も行います。

下顎が小さい場合などは口腔内装具(いわゆるマウスピース)が有効です。これは寝ている間の噛み合わせを、少しだけ下顎を前方に移動するようにするためのもので、舌根が咽を塞ぐのを防ぎます。

もちろん、肥満、特に内臓脂肪の多い方は、減量が必要です。

このように睡眠時無呼吸症候群の治療は色々とあるのですが、それは原因も一つではなくて、いくつかの要因が複合して起こることによります。適切な治療を受けることによって、例えば日常生活に支障を来すほどの強い眠気があるような方でも、ほとんど普通の生活が送れるようになります。心配な方は、まず診察を受けることをお勧めしたいと思います。

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睡眠時無呼吸症候群について

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睡眠時無呼吸症候群については、以前には記事にもしたことがありますが、大分経ちますので、改めて何回かに分けて記事にしていこうかと思います。まずは、概要から。

睡眠時無呼吸症候群は寝ている間に、呼吸が度々止まってしまう病気です。無呼吸は10秒から長いときには1分近くとなり、それが繰り返し起こります。そのために睡眠の質が低下し、日中眠くなったり、頑張れなくなったりします。同時に、メタボリックシンドロームや脳や心臓の虚血性疾患や高血圧、EDの原因とも成ります。小児では症状が大人とは異なり、顎顔面や胸部の形態異常、成長障害、多動や情緒不安定などを引き起こします。

睡眠時無呼吸症候群の原因は、身体的特徴として、まずは肥満、下顎が小さく後退していること(いわゆる"顎がない”状態。受け口の逆)、頸が短いことなど、鼻の病気としては鼻中隔彎曲症、慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、肥厚性鼻炎など鼻づまりを起こすもの、アデノイド増殖症や扁桃肥大、軟口蓋下垂や厚すぎる舌など様々あります。通常は一つの原因で起こるのではなく、様々な悪条件が重なることにより発症している方が多いようです。小児の場合は、アデノイド増殖症と扁桃肥大が原因となっていることがほとんどで、大人よりは肥満の割合は少ないです。アデノイドも扁桃も、咽にあるリンパ節の塊で免疫に関係した働きをしていると考えられていますが、小児期に、特に肥大しやすい特徴があり、これが睡眠時無呼吸症候群を引き起こすのです。

日本における睡眠時無呼吸症候群の頻度は従来 人口の2~4%といわれておりましたが、近年の疫学調査の結果からはそれよりもはるかに多い可能性が示唆されています。特に運転手などが睡眠時無呼吸症候群である場合、漫然運転や居眠り運転による事故等が発生しやすくなりますので、健診などで早期発見し、早期に治療する必要があると思います。

睡眠時無呼吸症候群を心配して耳鼻科を来院する方は、「日中の眠気に困っている方」、「いびきを家族や同僚などに指摘されて、受診を勧められた方」などです。診察と検査、治療の流れですが、先ずは睡眠時無呼吸症候群専用の問診票で、眠気の程度を調べます。次に、鼻や咽の診察を行い、狭くなっているような部位はないかを大まかに診ます。狭くなっている部位については、さらに内視鏡を使って詳しく診ます。また、鼻づまりがある場合には、鼻腔通気度計で鼻づまりの程度や左右差を客観的に評価します。画像診断としては、鼻副鼻腔や咽頭のCTが有効です。
最も重要な検査は、終夜睡眠ポリグラフィーというものです。これは入院して行う場合と、医療機関から検査装置を持ち帰り、自宅で検査を行う場合があります。入院して行う場合には呼吸の状態、血液の酸素飽和度、体位、心電図、目の動き、脳波などを一晩中モニターします。自宅で検査を行う場合には、このうち、心電図や目の動き、脳波を省いた項目を調べます。

治療ですが、重症の睡眠時無呼吸症候群の場合には、経鼻的持続陽圧呼吸療法(nCPAP)の適応となります。これは、鼻にマスクを装着して寝るもので、マスクからは少し圧を高めた空気が送られてきます。上気道に陽圧をかけることにより、咽の空間を保とうという治療法です。ほとんどの睡眠時無呼吸症候群に効果のある治療法ですが、あくまでも対症療法である点、マスクの違和感、重症例しか保険適用が認められないなどが欠点です。なるべく長い時間装着して休むのが理想的ですが、毎晩4時間以上できる方は70%程度といわれています。

鼻づまりが睡眠時無呼吸症候群の原因となっている場合には、鼻の中の形態を矯正する手術が有効です。鼻中隔彎曲症に対する鼻中隔矯正術、アレルギー性鼻炎や肥厚性鼻炎に対する下鼻甲介焼灼術や切除術、鼻茸に対する鼻茸摘出術、慢性副鼻腔炎に対する内視鏡下鼻内副鼻腔手術などが行われます。また、nCPAPの必要な患者さんでも、鼻づまりがあると治療が上手くいかないので、その場合は鼻の手術も行います。

下顎が小さい場合などは口腔内装具(いわゆるマウスピース)が有効です。これは寝ている間の噛み合わせを、少しだけ下顎を前方に移動するようにするためのもので、舌根が咽を塞ぐのを防ぎます。

もちろん、肥満、特に内臓脂肪の多い方は、減量が必要です。

このように睡眠時無呼吸症候群の治療は色々とあるのですが、それは原因も一つではなくて、いくつかの要因が複合して起こることによります。適切な治療を受けることによって、例えば日常生活に支障を来すほどの強い眠気があるような方でも、ほとんど普通の生活が送れるようになります。心配な方は、まず診察を受けることをお勧めしたいと思います。

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休診のお知らせ

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5月15日木曜日より、17日土曜日まで、学会出張のため休診いたします。

耳管開放症と低音障害型感音難聴の合併例

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原則的には耳管開放症単独で難聴を伴うことはありません。しかしながら、耳管開放症の耳閉感や自声強聴を避けるために、意識的に(半ば無意識に)鼻をすすることによって鼓室内を陰圧にして、鼓膜を凹ませている方は、伝音難聴になっていることがあります。それとはまた別に、検査をしてみると低音部の感音難聴を伴っていることもあります。その場合自覚的な難聴はあったり、なかったりです。

あさひ町榊原耳鼻咽喉科医院で耳管開放症の治療を受けた方 62名のうち純粋に低音部のみの感音難聴のあった方が11%。左右対称性に高音部も障害されている方を含めますと24%の方に低音部の感音難聴を認めました。
当医院の例だけではなくて、耳管開放症について書かれた他の論文や学会の抄録などを見てみましても、耳管開放症で低音障害型感音難聴を伴うことは、さほど稀ではないようです。
これをどう考えるかですが、論文では実際に耳管開放症によって起きている中耳腔の圧変動が何らかの内耳障害を引き起こしている可能性を考えているものもありますし、実際は内耳障害はないにも関わらず、呼吸の音がダイレクトに中耳に伝わってくるために正確に聴力検査ができず、実際の聴力よりも悪く出てしまうのではないかという意見もあるようです。
当医院の例を細かく見てみますと、検査時に呼吸音聴取の症状はなかったにも関わらず、低音障害型感音難聴を呈した例も多く、また、一部の症例は内リンパ水腫の治療薬であるメニレットゼリーで聴力が改善していることから、耳管開放症に内耳障害、特に内リンパ水腫の合併はあり得るのではないかと考えているのです。

ネット検索しますと、耳閉感を主症状に耳鼻科で診てもらったところ、急性低音障害型感音難聴と診断されたが実は耳管開放症だったとか、逆に耳管開放症と診断されたが急性低音障害型感音難聴だったというかたの体験談をたまに見かけるのですが、実はこの2つの疾患は合併することも結構多いのではないかと思っているのです。

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SAS(睡眠時無呼吸症候群)の原因と治療

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睡眠時無呼吸症候群の原因というのは人によって少しずつ異なるのですが、大抵の場合それは単一のものではなく、 様々な要因が複合して起こります。
全身的な原因としては肥満を初めとした体型の問題で、局所の問題としては、上気道の狭窄。これは鼻と咽に分けられます。
鼻の問題としては鼻づまりを来す種々の疾患、鼻中隔湾曲症、鼻アレルギー、肥厚性鼻炎、慢性副鼻腔炎やそれに伴う鼻茸などがあります。しかも、これらもまた、単一の疾患が起こっている場合よりも、例えばアレルギー性鼻炎と鼻中隔湾曲症というふうに、2つ以上の疾患が合併していることが多いです。
咽の問題としては、まず扁桃肥大やアデノイド増殖症があります。これは小児のSASの原因としては最も重要ですが、成人でも時に大きすぎる扁桃やアデノイドが問題になることがあります。扁桃もアデノイドももともと身体を最近やウイルスから守る免疫という働きをしており、免疫系の発達が著しい小児期にサイズを増すのですが、時として働きを終えてからも大きいままでいることがあります。それが気道を閉塞するのです。風邪を引けばさらにサイズが増大しますので、粘膜の腫れとともに症状を重くします.このため普段はSASの症状がはっきりしなくても、風邪を引くと無呼吸となる方もあります。その他の咽の問題としては、軟口蓋といってノドチンコの根元の部分が下に下がりすぎている場合や、舌が厚すぎる場合があります。
一人一人の患者さんのSASの原因を検索していくと、以上の要因の1つが極端にひどくて発症している方というのはむしろ稀で、多くはいくつかの要因は複合しています。その中でも多いの鼻づまりを来す種々の疾患と、咽の狭さに関係する軟口蓋の問題が複合しているケースです。これは、まず、鼻づまりが起こって口呼吸になり、そうすると軟口蓋や舌根(舌の付け根)が咽頭にかかった陰圧によって引き込まれ、さらに咽頭を狭窄してしまうというメカニズムで起こると考えられます。
SASの治療法としてはnCPAP療法が有効ですが、3割ぐらいの方では継続することができません。これはnCPAP療法というのが、鼻から強制的に少し圧を加えた空気を鼻から送り込んで気道が虚脱しないようにする治療であるため、鼻が通っていないと器械が自動的に圧を高めてしまい、今度はマスクと顔面の間からの空気の漏れや、鼻の乾燥感、高い圧などが気になって続けられない、ということが多いようです。終夜ポリソムノグラフなどで重症だからと、鼻の通りの評価をきちんとしないでCPAPを始めた場合は、この問題が起こりやすいです。
解決法はnCPAPを継続出来ない原因を調べて、鼻づまりが根底にあるのであれば、これを治療することです。薬物療法でいいこともあれば、手術が必要となることもありますが、鼻づまりを解消することで、nCPAP療法がよりスムーズに行えるようになるのみならず、上手くいけばnCPAP療法が不要になるケースもあります。

nCPAP療法を受けていて、どうも上手くいかない方は、一度耳鼻科できちんと鼻を診てもらうのが良いと思います。

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実は危険な子供のいびき

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いびきは熟睡している証ではなくて、実は気道の一部から起こる雑音であり気道閉塞のサインであるということが、だいぶ認識されてきましたが、これは大人だけではなく、子供にも言えることです。大人の睡眠時無呼吸は太っている方に多く、熟睡感の欠如、朝の頭痛、日中の眠気やパフォーマンス低下、合併症として脳血管障害や虚血性心疾患、高血圧などを引き起こしますが、子供では症状が若干異なります。子供の睡眠時無呼吸症候群は太っていない子にも起こり、むしろ小柄であることも多いです。これは寝ている間に分泌される成長ホルモンが、睡眠障害により不足するためと考えられています。また、大人では日中の眠気が強く活動性は低下するのですが、子供ではむしろ落ち着きがなくなったり、乱暴になったりすることが多いので要注意です。最近ADHD(注意欠如・多動性障害)が、発育障害の一つとして認識され始めましたが、睡眠時無呼吸症候群の子供においても、ADHDと似たような、活動過多・注意力・破壊的行動・コミュニケーション・社会的な適格性・自己管理などの分野において親によって報告されているような問題を抱きがちであることが報告されています。つまり、学校や家庭で落ち着きがなく、過度に騒ぐ、物忘れが多い、暴力的などの問題がある場合、本人や親の育て方の問題ではなく、背景に睡眠時無呼吸症候群がある可能性も疑うべきということになります。子供の睡眠時無呼吸症候群が疑われるのは、以下のような場合です。鼻づまりが常にあり、口を空いている。アデノイドや扁桃が大きいといわれたことのある。不規則ないびきや無呼吸。寝相が悪い。おねしょをする。夜、突然起きる。胸の真ん中が凹んでいる。以上のような症状がみられたら、是非、耳鼻科に相談することをお勧めしたいと思います。参考にしたサイト、ページADHD.co.jp ADHD(発達障害・注意欠如・多動性障害)情報サイト「睡眠時無呼吸」はADHD発症リスクを増加させるか================================================ブログランキングに参加しています!宜しければご協力を!(アイコンをクリックするとランキングのページにジャンプします。そしてなんと!耳鼻科医に10ポイントが!!貴方の1-Clickがこのブログを救います!)================================================

耳鳴の原因と治療

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以前も耳鳴について記事を書いていますが、大分時間も経過しましたしましたので、改めて記事にしてみます。耳鳴の分類耳鳴はタイプ、発生部位、原因となった疾患などにより、色々に分類されます。自覚的耳鳴と他覚的耳鳴自分にしか聞こえない耳鳴が自覚的耳鳴で、他人にも聞くことの出来る耳鳴が他覚的耳鳴です。他覚的耳鳴は稀で、ほとんどが、自覚的耳鳴です。そのため、耳鳴のつらさがなかなか他人に伝わりにくいことが多いといえます。発生部位による分類中耳性、内耳性(もしくは蝸牛性)、中枢性等に分けられますが、一番多いのは内耳性と考えられます。原因となる疾患中耳疾患急性・滲出性・慢性などの各種中耳炎、耳硬化症、耳小骨離断、耳管機能不全など。内耳(蝸牛)疾患突発性難聴、メニエール病、低音障害型感音難聴、老人性難聴、急性音響外傷、騒音性難聴など。脳(中枢神経)の疾患聴神経腫瘍、神経の変性疾患や血管疾患、心因性難聴、鬱病などの精神病など。脳や聴器以外の疾患高血圧、動脈硬化、頭蓋内や頸部の血管の走行異常、耳の周囲の筋肉の痙攣など。耳鳴のおこる仕組み耳鳴の起こる仕組みを理解するため、耳から脳へ、音の信号がどのように伝わっていくかを考えてみましょう。
1: まず、音というのは空気の振動なのですが、その振動が外耳道を通り、鼓膜にぶつかります。2: 鼓膜が振動して、3つある耳小骨に順繰り振動が伝わっていきます。(ここまでが伝音系といい、主に中耳の働きです。)3: 耳小骨の振動を受けて、内耳では音の振動のエネルギーを、電気的エネルギーである神経の活動電位に変換します。4: 内耳で起こった活動電位は、蝸牛神経を通って、脳幹という脳の基本的な仕事をする場所へと入ります。脳幹では、音の周波数を解析したりしていると考えられています。5: さらに音による神経の活動電位は、大脳皮質へと伝えられていきます。大脳では、より高次な音の分析、例えば言葉の理解や、安全な音なのか危険な音なのかなどの判断が行われます。以上が、聴覚伝導路といわれる、音の信号が耳から脳に入り、理解や判断されるまでの仕組みです。耳鳴の大部分を占める自覚的耳鳴は、通常は音があるところで起こるべき活動電位が、音のないところでも起こってしまい、耳鳴として大脳で認識されて生じます。聴覚伝導路のどこで耳鳴の元となる活動電位の発生源は、内耳や蝸牛神経が多いと思われます。また、普段は周りの生活雑音などにかき消されて自覚していない耳鳴が、難聴によって周囲の音が聞こえなくなる分、顕著化してくるようなものもあると考えられています。耳鳴は、聴覚伝導路いずれかで発生するのですが、これを認識するのは大脳の役割です。
特に大脳辺縁系という部分の働きが最近注目されています。大脳辺縁系というのは、いわゆる旧い脳といわれる部分で、緻密な思考というよりは、心地良いか不快であるかの判断といった風な、原始的な感覚を司っている部分で、自律神経と連携して働いています。自律神経は内臓の働きをコントロールしていますから、音が不快だと感じた場合に、自律神経の命令で心臓がドキドキしたり、胃腸の具合が悪くなったりすることも起こりえるのです。同じことは、耳鳴でも起こると考えられます。最初に内耳で発生した耳鳴を大脳辺縁系が不快な音として認識した場合、自律神経が刺激されて、内臓の調子が悪くなり吐き気がしたり、脈が変動したりすることもあるのです。そして、この経験が再び大脳にフィードバックされ、耳鳴があるために非常に不快な経験をしたのだと思い込みます。そうすると、大脳は耳鳴りは危険なシグナルと認識するようになり、耳鳴りをより一層注意して聞くように習慣づけられます。そうすると、さらに耳鳴に敏感に反応してしまうようになるという悪循環に陥るのです。一度悪循環に陥ってしまうと、いつもは聞き流せるような耳鳴も、気になって過剰に反応してしまうようになる、というのが耳鳴が頑固になってしまうメカニズムです。耳鳴の治療 耳鳴の治療としては、急性期と慢性期とに分かれます。急性期、すなわち耳鳴が起こって間もない時期には、それと同時に急性の内耳障害が起こっていることが多いと思われます。具体的な病名としては、突発性難聴、低音障害型感音難聴、メニエール病、音響外傷などということになりますが、これらの疾患では、原因となっている疾患の治療をまずは行います。一方、慢性の耳鳴や、いつからかはっきりしないもの、難聴も伴わない耳鳴の場合は、元々は内耳で起こった耳鳴が、脳における悪循環で、持続・増強していることが考えられますから、この悪循環を断ち切ることが大切です。そのためには、「耳鳴の起こっている原因を理知的に理解し、過度の心配を抱かないようにすること」、「耳鳴りに意識を傾けないように習慣化する」ことが有効です。いわば大脳で大きくしてしまった耳鳴りを、大脳の働きで小さくしてしまおうという治療法で、これが当院で行っているTRTです。TRT とは?TRTとはtinnitus retraining therapyの略です。直訳すれば、”耳鳴再訓練療法”ということになりましょか。再訓練というのは、耳鳴を過度に警戒して、耳鳴に集中してしまう癖を捨て去って、耳鳴を聞き流せるようにするように習慣づける、という意味です。TRTの実際顕微鏡や内視鏡を使った耳の診察、聴力検査、必要に応じて耳管機能検査やティンパノメトリィ、CTなどを行い、耳鳴の原因を診断します。その上で、耳鳴の起こっているメカニズムを説明します。耳鳴の正体を明らかにすることにより、過度の不安を抱かないようにして頂くのが狙いです。さらには、音響療法を併用します。具体的には静かな環境を避けてもらうため、1日のうち数時間程度、音を流しておく治療です。音源としては、軽症の場合は、わざとチューニングをずらしたFMラジオの雑音、波の音のCD、難聴のある人であれば、補聴器を付けて環境音が聞こえる状態を作ることなどです。耳鳴に対する苦痛度が高い場合は、サウンドジェネレイターという補聴器と同じ形をした、雑音を流すための専用の機械が必要となります。ただしサウンドジェネレイターを購入するまでもない、という方にはiPhoneやiPad、Androidで使えるアプリもありますので、これらのユーザの方にはお勧めです。いずれにしても、音量は耳鳴が完全に消える程大きくなく、半分ぐらいになる程度が適当です。他の音により、やや圧縮された耳鳴を聞くことにより、大脳が耳鳴のある状態に慣れることを促すのが音響療法です。TRTは、病状についての説明と理解、そして音響療法の二つの柱から成る治療なのです。================================================ブログランキングに参加しています!宜しければご協力を!(アイコンをクリックするとランキングのページにジャンプします。そしてなんと!耳鼻科医に10ポイントが!!貴方の1-Clickがこのブログを救います!)================================================

年末年始 休診のお知らせ

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今年一年、お世話になりました。あさひ町榊原耳鼻咽喉科医院の今年の診療は、12月30日までです。夕方6時まで、通常通りの診療時間です。
新年は1月5日月曜日より、診療いたします。

あけましておめでとうございます

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あけましておめでとうございます。本日、1月5日より通常通り診療いたします。今年もよろしくお願いいたします。

鼻づまりに効果のある抗アレルギー剤

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年が明けて、そろそろスギ花粉症の方は今シーズンどう乗り切ろうかと、思案を始める頃なのではないでしょうか。スギ花粉症を始めとしたアレルギー性鼻炎で最も汎用される薬と言えば、抗ヒスタミン剤です。即効性があるのが最も優れた点であり、また種類も多いです。比較的新しい、第2世代のものであれば、眠気や口渇などの副作用もあまりありません。ただし、抗ヒスタミン剤はくしゃみ、鼻水に対する効果に比較して、鼻づまりに対する効果が弱い、と言う欠点があります。ということで、今回は鼻づまりに効果のある内服薬について、お話ししたいと思います。
一覧表を作ってみましたが、主なところではキプレスとシングレア(これらは同一成分です。)、オノン、バイナス、ディレグラ、アイピーディなどがあります。抗ヒスタミン剤と比べて、種類はかなり少ないです。内服の回数はキプレス・シングレアは1日1回。オノン、バイナス、ディレグラは1日2回、アイピーディは1日3回です。また、薬価は1日あたり、152.2円から、273円までと、少々お高くなっております。
作用としては、キプレス・シングレア、オノンはロイコトリエンという鼻閉を起こす化学伝達物質の作用を抑え、バイナスはトロンボキサン(これも鼻閉を起こす化学伝達物質)の作用を抑え、ディレグラは自律神経を交感神経優位にすることにより鼻粘膜の収縮を促し、アイピーディはTh2サイトカインを阻害します。抗ヒスタミン剤は文字通りヒスタミンという化学伝達物質の作用をターゲットにしているのに対して、鼻づまりに対する内服薬は多様な効果を、それぞれ狙っていることが分かるかと思います。
眠気は、いずれも問題になることはありません。いずれにおいても重い副作用はありませんが、バイナスで起こりえる出血傾向と肝障害、ディレグラの血圧上昇や、もともと前立腺肥大のある方への尿閉や、緑内障の悪化などには注意が必要です。
授乳は、いずれの薬も「避けさせる」とか、「中止させる」と、残念ながら添付文書には記載されております。しかし、実際は問題になることはほとんどなく、その辺のところは、主治医との相談と言うことになろうかと思います。余談ですが、添付文書上、「妊婦にも使えます。」とか、「授乳も継続して問題ありません。」と記載されている薬は皆無です。しかし、実際問題になるのはごく一部のみ。製薬会社と厚労省は、「妊婦(初期は除きますが)と授乳を継続を希望される方にもやむを得ず処方することも黙認はするが、何かあった場合は、医者が責任を取りなさい。」というスタンスです。
少々脱線してしまいましたが、アルコールに関して「注意」となっているのが、バイナスとディレグラ。他は記載がありませんでした。
なお、表には書きませんでしたが、この中でまずまずの即効性のあるのはキプレス・シングレア、オノンとディレグラです。スギ花粉症では初期治療として早めの内服が勧められていますが、この4剤に関しましては症状が出始めてから飲んでも大丈夫です。バイナスとアイピーディで初期治療する場合は、予測される花粉飛散開始の1〜2週間前からの内服が勧められると思います。
今シーズンのスギ花粉は、西日本では例年より少なめ、東日本では多めと予測されています。長期的には温暖化に伴ってか、増加傾向にあるようですし、患者さんも増えています。薬の知識も身につけて、賢く花粉症シーズンを乗り切りましょう。この記事が参考になれば幸せです。
関連記事:第2世代抗ヒスタミン剤の比較
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鼻の役割とは?

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スギ花粉症のシーズンが近いということで、鼻の強化月間。今回は鼻の役割についてお話ししたいと思います。

アレルギー性鼻炎や鼻風邪の主症状といえば、「くしゃみ」、「鼻水」、「鼻づまり」。不快で、明らかに生活の質を下げてしまう困った症状なわけですが、これらの症状は、実は、鼻本来の働きが暴走気味になることによって、起こっているのです。

鼻の役割にはいくつかあるのですが、一つには呼吸の働き。鼻は気道の一部をなすわけですが、空気の流れに対する抵抗値は鼻の中が一番大きくて、全気道抵抗の半分を占めます。このことにより深くゆったりした効率的な呼吸が保てるのです。二つ目の働きは下気道の防御。空気を加湿したり体温に近づけたり、異物や病原体を除去したりと、いわばエアーコンディショナーとフィルターとしての役割です。そして三つ目の働きは、嗅覚です。嗅覚は食物を摂ったり、危険を察知したりするのに重要です。
このうち、くしゃみ、鼻水、鼻づまりに特に深い関係のあるのは、二つ目の「下気道の防御」です。風邪や花粉症などで、くしゃみや鼻水が出るのは異物を排除使用とする働きが強くなりすぎている結果ですし、鼻づまりは鼻腔の空気抵抗を大きくして、異物や病原体を入れまいとする働きが過剰になったためと理解できます。
くしゃみや鼻水の量、鼻の通り易さを調整しているのは、鼻の粘膜に分布するセンサーともいうべき感覚神経と、鼻の分泌腺や血管のボリュームを調整している自律神経などの神経系と、ヒスタミンやロイコトリエンといった化学伝達物質です。
さて、今回はここまで。次回は鼻水の量を調整している神経の働きについてお話ししたいと思います。
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鼻水の量を調整している神経

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きょうは鼻水の量を調節している神経の話。


鼻の中に刺激が加わると、まず三叉神経が興奮します。
そして、三叉神経からの信号は脳幹へと伝わります。



脳幹からは、今度は鼻に向かって、副交感神経経由で鼻水の分泌を促す信号が送られ、鼻腺が働いて鼻水を作り分泌するのです。

そして、これらの神経の働きを促進するのが、ヒスタミンなどの化学伝達物質。
というわけで、鼻水を止めるために、抗ヒスタミン薬が使われるのです。


短いですが、本日はここまで。


次回は、小児に使える抗ヒスタミン薬の話です。


なお、大人向けの抗ヒスタミン薬については、
抗ヒスタミン薬の変遷

第2世代抗ヒスタミン剤の比較

などを、ぜひ参考にして下さい。


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小児用の抗アレルギー剤(抗ヒスタミン薬)の比較

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鼻水の量をコントロールしている神経というのは、主に鼻の中のセンサーである三叉神経と、分泌を促す副交感神経であることを前回の記事でもお話ししました。また、三叉神経に、鼻の中で何事かが起きており、鼻水の分泌が必要な状況であることを知らせるのが、ヒスタミンという化学伝達物質です。鼻水の分泌が必要な状況とは、例えば最近やウイルス、粉塵などの異物の侵入や、乾燥した空気の吸入などです。そういった状況でヒスタミンが分泌されるのは、下気道を守るために必要な免疫という働きの一つなのですが、時として、必要以上に分泌されてしまうことがあり、結果として鼻水がダラダラ、くしゃみ連発、鼻づまりによる息苦しさ、後鼻漏や咳ということを引き起こしてしまいます。そこで、鼻水の量をコントロールしようという目的で開発されたのが、抗ヒスタミン薬です。その中でも、今回は子供用の抗ヒスタミン薬に絞ってお話ししたいと思います。
上は、主だった小児用の抗ヒスタミン薬の一覧表です。小児用の抗ヒスタミン薬にも、第1世代と第2世代があります。表の上半分、タベジール、ポララミン、アリメジン、ペリアクチンは第1世代、下半分のザジテン、ジルテック、アレロック、ザイザルは第2世代に分類されます。第1世代と第2世代の違いですが、上気道炎に適応のあるのが第1世代、第2世代にはありません。風邪の時の鼻水止めとして、第2世代は使えないのかということが時に議論されることもあるのですが、保険診療のルールとしては不可です。実際の効果があるのかどうかは、何とも云えないところです。ただし、小児にもアレルギー性鼻炎は増えていて、今や3〜4人に一人ぐらいは確実にアレ鼻持ちです。実際問題として、風邪の初期に出る鼻水とアレ鼻の鼻水の区別が付かないことは多々あり、このような場合、私自身としては、より副作用の少ない第2世代を選ぶことが多いです。

作用の違いとしては、第1世代が抗ヒスタミン作用一辺倒なのに対し、第2世代ではメディエーター遊離抑制などの抗ヒスタミン作用以外の抗アレルギー作用を併せ持つという点があります。
副作用の違いは、眠気の強さ。ザイザルを除いて添付文書には眠気という記載がありるのですが、実際には第1世代のものは眠気が強く出やすく、第2世代はその点が改善されています。また、興奮や錯乱といった副作用も頻度は少ないものの、第1世代のもので生じる可能性があります。
もう一つ抗ヒスタミン薬で問題となる副作用に、痙攣があります。あまり頻度は多くないのですが、特に熱性痙攣などの既往がある児の場合は、なるべく痙攣の副作用のない薬、第1世代ならアリメジン、第2世代ならアレロックを選ぶのが良いのではないかと思っています。
以上、小児用の抗ヒスタミン薬についてまとめてみました。もともと、大人用に比べて種類が少なかったのですが、ここ数年の間に、第2世代を中心として選択の幅が広がってきました。子供は大人に比べて、あまり鼻水も鼻づまりも気にしない傾向にあるし、長期間薬を飲ませるのが心配、という親の気持ちが分からないわけでもないのですが、鼻炎の症状は起きているときはもちろん、睡眠中であっても生活の質を下げてしまいます。医者と薬を上手に使って対処していくのがよろしいのではないでしょうか。
なお、大人向けの抗ヒスタミン薬については、
抗ヒスタミン薬の変遷

第2世代抗ヒスタミン剤の比較

などを、ぜひ参考にして下さい。


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膿栓の治療 〜扁桃凝固術〜

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今日は扁桃に臭い塊がくっつく、膿栓症と、その治療法である扁桃凝固術の話です。
扁桃は口から咽に入る途中、口蓋垂(いわゆるノドチンコ)からつながる前口蓋弓とその後ろの硬口蓋弓というヒダの間に、左右1個ずつあります。桃の実の種のような形をしているので、扁桃というようです。























扁桃には陰窩という窪みあり、実質内までつながっています。途中で枝分かれしているものもあり、そのため扁桃は、非常に表面積が広くなっています。しかも、上皮の直ぐ下にはリンパ濾胞という、免疫細胞の集合体がありますから、侵入してきた病原体を迎え撃つには合理的な形となっているといえます。












しかしながら、ここで出来た抗体やリンパ球が本来病原体に向けるべき攻撃能を、自分自身の組織に向けて発揮してしまったり、陰窩に病原体や白血球の死骸や剥離した上皮が貯まってしまったりという不都合も起こってしまいます。


陰窩に貯まったものは、黄白色の粘土のような見た目で、悪臭を放つ塊で、膿栓といわれます。膿栓は無症状である事が多いのですが、時に口の中に剥離して、指でつぶすとあまりの臭さにビックリしたりします。俗に、"臭い玉”というそうです。あまり気になる場合には、耳鼻科を受診してみて下さい。吸引して取ってもらえると思います。ただし、あまり目立つ膿栓がない時には、異常なしと言われるかも知れません。


従来より、頻回に扁桃が化膿して腫れてしまう場合や、扁桃が原因で高熱が度々出る場合、
病巣感染症といって扁桃で出来た免疫複合体が、腎臓、皮膚、関節など他の体の他の部分にまで悪さしてしまう場合には、扁桃摘出術(扁摘)といって扁桃を根こそぎ取ってしまう手術が行われています。


効果は確実ですが、2週間近くの入院が必要で、術後の痛みはほどほどあり、適応のある方は結構いらっしゃいますが、なかなか手術を勧めても受けられない方が、特に大人では多いです。


また、膿栓症のような比較的軽い扁桃病変の場合、扁桃摘出術はちょっとオーバースペックといいますか、そこまでしなくても、という感がしなくもありません。


そこで、当院においては、比較的軽い慢性扁桃炎や膿栓症の方には高周波による扁桃凝固術をすすめています。この術式はあまり一般的ではありませんが、局所麻酔の日帰り手術で、術後の食事制限などもあまりなく、術後の痛みや出血も少ないという利点があります。

手術の実際ですが、表面麻酔、粘膜下への注射による麻酔の後に、陰窩へ金属の棒状の電極を差し込み、高周波という電流を10秒程度流して焼灼・凝固します。これを、目立った陰窩、それぞれに対して行います。



術後ですが、1日程度で扁桃からの分泌物で扁桃は白く覆われますが、腫れはそれほど強くなく、飲食も出来る程度です。
分泌物と術後の腫れは、数日で引きます。






術後は扁桃のボリュームが縮小し、陰窩が浅くなります。

出血や術後の腫れは比較的少ないとはいえ、皆無ではありませんので、無理をせずに何回かに分けて手術をすることもあります。


この場合は、初回の手術から2〜3週程度は空けて、縮小の程度をみながらということになります。


1回で終わる扁摘より煩わしいという考えもありますが、症状などもみながら効果を調節できるのは扁桃凝固術の利点でもあります。
扁摘と凝固術の特徴をまとめると以上の様になります。凝固術の方が効果も合併症もマイルドということが言えるかと思います。

当院を受診できる方は、どうぞご遠慮なくご相談下さい。


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扁桃の功罪

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鼻や口から咽へと入っていく通路の途中には、口蓋扁桃扁桃、舌根扁桃、咽頭扁桃など、リンパ球を中心とした免疫細胞を多く含む組織がいくつかあります。その存在意義はウイルスや細菌の感染から身体を守る、"免疫”という働きに尽きるのですが、その仕組みについて、例え話を交えてお話ししたいと思います。

扁桃組織というのは、いわばヒトの身体という"国”を守る”城”や”砦”のようなものです。城には堀や城壁があって外界から守られつつも、門は外界と通じています。さらに例えるなら、堀は粘液で城壁は粘膜。ウイルスや細菌などの外敵の侵入をここで食い止めます。城門は陰窩。粘膜とリンパ球が接近している部分です。。

ウイルスや細菌が侵入しますと、城壁のそばから、リンパ球の一つであるB細胞(これはいわば"弓隊”です)がIgAという”矢”を放ちます。(IgAとウイルスとはいわば鍵と鍵穴、一対一の関係があって、一つ一つの種類に応じて用意しておく必要があります。したがって出会ったことのない初見のウイルスには、有効なIgAを持っていないということになります。)
ここをすり抜けた病原体に対しては好中球やマクロファージが接近戦や肉弾戦を挑みます.いわば”足軽隊”というところでしょうか。また、ウイルスが細胞に感染してしまった場合には、ナチュラルキラー細胞が感染した細胞ごと破壊します。

こうしたせめぎ合いの間にも、敵である病原体の情報収集が行われています。これは、リンパ球の一つT細胞の仕事です。T細胞が得た病原体の情報は、B細胞に伝えられ、IgAを作るのに役立てられます。情報を得たB細胞はIgAという矢を作って、ウイルスの再襲来に備えるものもあれば、輸出リンパ管という裏口から、全身のリンパ組織へと移動していくものもあり、各所で防御にあたるようになります。

以上が扁桃と、そこに含まれる免疫細胞の役割で、この過程だけを見れば、体を病原体の攻撃から守るのに非常に重要な働きと言うことが出来るかと思います。しかしながら、扁桃が病原体から体を守って、病原体の情報を探るという働きは、小学校低学年頃までで、その後は役目を終えます。それどころか、病原体と免疫細胞の小競り合いがしばしば繰り返されることにより、城門である陰窩には病原体と免疫細胞の死骸が溜まってしまい城が荒れるのです。これが、いわゆる膿栓、不愉快で何の役にも立たないものです。
また、病原体とのせめぎ合いがあると、主にT細胞は色々なサイトカインを作ります。サイトカインとは特定の細胞に作用して活性化を促す、いわば命令書。これが過剰に出続ければ、免疫細胞が自分の体の一部まで攻撃する様になります。これを自己免疫といい、IgA腎症、掌蹠膿疱症、アトピー性皮膚炎などの原因となっている可能性があります。例えでいえば、扁桃を本拠地にしている免疫細胞が、野武士化して、中央の言うことを聞かず、暴れまくっている状態といえると思います。
このような場合、野武士が本拠地としている扁桃を摘出する、あるいは凝固して減量してしまうのが有効ということになる訳なのです。

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今年のスギ花粉は?

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今週に入ってだいぶ暖かい日が続いておりまして、冬の終わりと春の訪れを感じます。心浮き立つ時期でもあり、スギ花粉症の方にとっては、逆に憂鬱になる時期でもあるのではないでしょうか。


さて、今年のスギ花粉飛散の予測は、大雑把に言って東高西低だそう。スギ花粉は前年夏の気温によって、豊作・不作が左右されます。それからもう一つ、前年の花粉飛散数にも影響を受けます。昨年夏の気温は、東日本で高かったようですし、昨年のスギ花粉は全般的に少なめでしたので、今シーズンは特に東日本で大量飛散に注意です。


具体的には、花粉情報を出来れば毎日チェックし、多い日は
「可能な限り外出を控える。」
「マスクやなるべく顔との間に隙間のない眼鏡(ゴーグルタイプがベスト)を着用。帽子も有効。」
「衣服は毛羽立ちの少ない、綿などを外側に着る。」
「帰宅後、よく衣服を払い、洗顔うがいも励行。」
「深酒、夜更かしをしないよう気を付ける。」
などなどです。


また、薬は適切な抗アレルギー薬を早めから飲み始める、「初期治療」が有効です。
薬によっては症状ので始める前からの服用が必要ですが、大部分の薬は症状が出たかなと思ったら飲み始めるタイミングで大丈夫です。
いずれにしても、スギ花粉症の方は早めに耳鼻科を受診して下さるとよいでしょう。


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スギ花粉の本格飛散が始まりました

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最近1週間の山形市における花粉の量です。(環境省花粉観測システム”はなこさん”より。)グラフを見ますと3月16日より、急激に花粉の多くなっていることが分かります。気温上昇に伴うものと思われ、今後雨、雪が続くことがなければ、しばらく花粉の多い日が続くことが予測されます。花粉の大量飛散に伴い、花粉症の症状を訴える方が多くなっています。昨日も外来が非常に混み合いまして、ご迷惑をおかけいたしました。かといって、発症してから我慢すればするほど重症化するのがスギ花粉症ですから、少しお時間に余裕を持って受診して下さいますよう、お願いいたします。
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風邪をひくと熱が出るのはなぜか?

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インフルエンザの流行も終息し、ちょっと季節外れかも知れませんが、今回は発熱について。発熱は色々な原因で起こりますが、今回は風邪限定の話です。風邪はほとんどがウイルス感染で、原因となっているウイルスはライノウイルス、コロナウイルス、インフルエンザウイルス、RSウイルスなどがあります。一般的には体外から侵入したウイルスが暴れまくって組織を破壊した結果、発熱すると思われています。しかし、組織破壊性はウイルスによって異なり、インフルエンザでは高いのですが、風邪の原因として頻度の高いライノウイルスなどでは、あまり高くありません。風邪全体の割合からすれば、むしろ、ウイルス感染に呼応して起こる自分自身の免疫反応が発熱を引き起こすことの方が多いのです。
免疫反応が発熱を引き起こすメカニズムを、簡単に書きます。まず、ウイルスが侵入しますと、これを殺そうとして樹状細胞、マクロファージ、単球、顆粒球などが動員されます。これらの細胞は、ウイルスを殺したり、ウイルスに感染してしまった自分の細胞を破壊したりします。それと同時に、身体に非常事態が起こっていることを知らせるため、サイトカインという化学物質を放出します。これが視床下部の体温中枢に作用し、いわばサーモスタットの設定をより高体温の側にセットし直します。視床下部からの命令により、身体は寒気を感じ悪寒、震えが起こります。全身の筋肉が震えることにより熱産生が増し、同時に皮膚血管の収縮が起こり、体表からの放熱が減少するため体温が上昇するのです。
発熱を促すために免疫細胞が放出するサイトカインを内因性発熱物質といい、それに対してウイルスそのものは外因性発熱物質ということになります。どちらが発熱に大きく関係しているかというと、イメージ的には外因性発熱物質なのですが、実際には内因性発熱物質の方なのです。すなわち、風邪の熱を産生しているのはウイルスではなく、実は自分自身の身体なのです。しかも、それは免疫能の亢進やウイルスの発育増殖の抑制など、合目的な反応であることが分かっています。
一方、感染の後期においては、体温中枢のサーモスタットは設定を平熱の側へ戻され、熱を放出するため血管拡張が起こって手足が温かく感じられるようになり、汗もかいて楽になっていきます。
さて、ここで、風邪の熱は下げるべきなのなのか、という疑問がわいてきます。発熱は正常な免疫反応であり、感染を抑制するものであることから、食事や睡眠が十分とれているようなら、薬での解熱は不要というのが最近の考え方です。逆に解熱剤を飲んだ方が良い場合というのは、食事と睡眠が十分に摂れない場合ということが出来ます。


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